嫌われたくない症候群
自殺などの事件が起きると、周囲は「あの子は朗らかで明るい子だった」『陽気で良い子だった』『自殺をしそうな子じゃなかった』などと言う。
では、なぜ陽気で良い子が自殺してしまうのだろう?
周囲が言う『陽気で良い子』とは、人に嫌われないための鎧であり、本来は陰気という場合が多い。
つまり、人に嫌われないために、人に合わせすぎて本来の自分を見失ってしまうのだ。
そのような人は、友達からの誘いを、本心では断りたいと思っているのに、嫌われるのが怖くて、断れない。
ではなぜ、そこまで嫌われるのが怖いのか?
そこには、自分のナルシズム、甘えの欲求、自己不在、愛情飢餓の強さが隠されている。
嫌われたくない症候群の人は、周囲への極端な同調性を持っている。
それゆえ、自己喪失に陥る。つまり、周りに流されて自分を見失うのだ。
嫌われるのが怖いから、自分の本心に従わず、どこででも相手に合わせてしまう。
その動機は、他人の好意を得るためである。
自分が何をしたいのかがわからないし、寂しくて、劣等感が深刻化する。
原因
1 心の底で自己嫌悪に陥っている。
嫌われたくない症候群の人は、どこか自分に失望している。
嫌われる怖さから、『本当の自分』を隠す。
2 愛情飢餓感
小さい頃に親に愛されなかった。幼児的願望が満たされない。
これらの体験は愛情飢餓感を生む。
この愛情飢餓感があると、誰でもかれでも好かれたいと思ってしまうのだ。
それゆえ誰にも嫌われたくないという思いを生む。
嫌われるのが怖いという恐怖心と、好かれたいという願望が合体したものは、人の感じ方や考え方、行動を支配するようになる。
喜びや悲しみさえも、恐怖心と願望のなすがままになるのだ。
本当の自分と向き合っていない。
そして、本当の自分を隠しているため、
誰とも本心で触れ合う事なく生きている。